東急電鉄と羽田エアポートラインは1日、新路線「新空港線(通称:蒲蒲線)」の整備に向け、国土交通省に「速達性向上計画」の認定を申請したと発表しました。この計画が実現すれば、羽田空港へのアクセスが大幅に向上します。

【参考】
東急電鉄の「新空港線(蒲蒲線)」営業構想、国交省が認定
https://tetsudo-ch.com/12999263.html

この計画は、東急多摩川線の矢口渡駅・蒲田駅間から、京浜急行電鉄の京急蒲田駅付近までを結ぶ連絡線(新空港線)および連絡施設を新設し、新空港線と東急多摩川線との直通運転を行い、一部の列車については多摩川駅から東横線に乗り入れを行うというものです(※)。羽田エアポートラインが路線などの施設を整備・保有し、東急電鉄が列車を運行する「上下分離方式」が採用されます。

※東横線から乗り入れる列車が停車できるよう、東急多摩川線多摩川駅および下丸子駅の乗降場(プラットホーム)の整備などをあわせて行う計画です。

計画概要図(資料:東急電鉄・羽田エアポートライン)

現在は分断されている蒲田駅と京急蒲田駅間の「ミッシングリンク」が解消されるだけでなく、国際競争力強化の拠点である渋谷・新宿・池袋などや東京都北西部・埼玉県南西部と羽田空港とのアクセス利便性の向上にも寄与し、蒲田・京急蒲田地区をはじめとした地域の更なる発展に資するものとして位置づけられています。

計画概要

【営業キロ程】蒲田駅~蒲田新駅(仮称)間0.8km
【軌間】1,067mm
【運行区間】渋谷方面~多摩川駅~蒲田駅~蒲田新駅(仮称)
【運行頻度】朝のラッシュ時は1時間あたり20本程度、その他の時間帯は10本程度を予定
【車両編成数】3両、8両
【運賃】東急電鉄の運賃体系を基本とし、新設区間(蒲田駅~蒲田新駅(仮称)間)には加算運賃が設定される見込み
【駅位置】蒲田駅:大田区西蒲田七丁目、蒲田新駅(仮称):大田区蒲田四丁目
【整備予定期間】2025年10月~2042年3月(※残工事期間を含む)
【運行開始時期】令和20年代前半(2038年~2042年)を目指す
【総事業費】約1,248億円

時短効果は?

整備効果としては、東急線沿線などから羽田空港アクセスにかかる所要時間の短縮が挙げられています。

■中目黒駅~京急蒲田駅付近(仮称蒲田新駅)までの所要時間:約36分→約23分(約13分短縮)
■自由が丘駅~京急蒲田駅付近(仮称蒲田新駅)までの所要時間:約37分→約15分(約22分短縮)

今回の速達性向上計画が国土交通大臣に認定されると、鉄道事業法における事業許可を受けたものとみなされ、計画は本格的に始動することになります。

(TOP写真:PIXTA)

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