ファミマの無人コンビニを仮設したTTGブース(筆者撮影)

産業界のトレンドが「DX」。デジタルトランスフォーメーションの頭文字で、デジタル技術による業務革新を表す。ICカード乗車券で得られるビッグデータの利活用や列車の運行管理、車両・線路の故障予知といった鉄道最前線は文字通りのDXだ。

2025年7月30日から3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた「産業DX総合展2025夏」にJR東日本グループ2社が出展。鉄道から産業界へと躍進する、最新のDXを発信した。

無人決済店舗(TTG)

DX総合展にブースを構えたのは、JR東日本生まれのスタートアップ・TOUCH TO GO(タッチ・トゥ・ゴー=TTG)。無人AI決済店舗の「TTG-MONSTAR(モンスター)」が、流通・小売業界に浸透する。無人店舗の1号店は2020年3月に開業した山手線・京浜東北線の高輪ゲートウェイ駅だった。

TTGの無人店は全国50店舗を超すファミリーマートの無人コンビニに加え、東京駅新幹線ホームのお土産店(取扱商品・東京ばな奈)、市中でもカラオケ店、カフェとジャンルを問わない。

TTGは、各地の展示商談会に共同出展して社名を広めてきたが、今回は比較的珍しい単独参加。担当社員は導入時のコンサルタントから設計・工事のアドバイスまでオールインワンで受け持つ総合サポート体制をPRした。

建設現場などの入退出管理(JEIS)

JR東日本ロゴマークでグループ企業の信頼性を売り込むJEISブース(筆者撮影)

JR東日本グループのもう1社はJR東日本情報システム(JEIS)。列車指令からSUICAポイントまで、JR東日本系の情報系を受け持つシステムインテグレーターだ。

DX総合展では、申請・承認手続きのオンライン総合サポートサービス「てつサポ」を紹介した。

鉄道の各種工事は実際に施工する協力会社が、メニューや時間などJRに申請して承認を受ける必要があるが、一連の手続きをオンライン化したのがてつサポ。JEISは鉄道という〝極セマ〟の技術を汎用化して、ゼネコンなどに売り込む。

産業DX総合展は、エバーリッジという展示会企画運営のスタートアップが実質主催。通常、夏休みはビジネスのオフシーズンだが、逆に競合する展示会などがお休みで、その分ビッグサイトのホールには大勢の来場者が訪れた。

記事:上里夏生

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