北関東の技術系大学で、先端と発見と笑いが大量発生中_埼玉工業大学 学園祭と研究紹介イベントに突撃

2018.10.16

自動運転の実証実験にAI専攻新設、大学発ベンチャー設立、CGコンテスト、プログラミング教室など……北関東のネギ畑に囲まれたのどかな大学がいま、なにげに話題が尽きない。

JR高崎線 岡部駅からスクールバスで5分―――文理の隔てを感じない、埼玉工業大学。

10月初旬、学園祭と併設で一般市民向けの大学の研究紹介イベント「SAIKOフェア」が開催され、地元のファミリーや小中高生、連携する高校生たちが、同大の学生や先生たちと、聞く・話す・学ぶ・トライする・食べる・笑う・踊る(!?)で大忙し。

彼らの注目する、“北関東にある注目の高まる大学のトレンド”を追いかけた。

動き出した自動運転の実証実験、いま最もアツい現場

まず注目は、埼玉工業大学の自動運転実証実験。自動運転レベル3の実験車(プリウスベース)の前でドヤ顔で立つのは、工学部 情報システム学科 AI専攻(2019年4月開設)の渡部大志教授。

この自動運転実験車は、9月に大手損保会社やIT企業など複数社が行う都内公道実証実験に参加。「大学周辺とはまた違った、都心の交通量の激しい道路状況での自動で走るための課題がみえた」と渡部教授。

埼玉工大発の自動運転の大学発ベンチャー フィールドオートの社長という別の顔をもつ渡部教授は、「埼玉工大で研究・開発してきた自動運転の実用化にむけた技術・ノウハウを学外にも移転していきたい」とも。

ゲーム音楽やデジタルクリエーティブをめざす若者の“カタパルト”

次は、なにやら懐かしげなアナログ機器が並ぶテーブルへ。動画の音を聞いて、「あれ?」と思う人は、ゲーマー!?

ここは、人間社会学部 情報社会学科(メディア文化専攻)の音楽・音響メディア研究室。

「いまはパソコンやクラウドで音をつくる時代だけど、こうしてアナログ機器に触れて、体感しながら学んでいくプログラムを展開している」と中川善裕教授。

プラグ・スイッチ類が並んだミキサーと鍵盤から出てくる音に、子どもたちの目がギラッ。「教えて教えて」と学生たちに迫る姿も……。

食品ブームやコスメ人気で注目される学科

AIやIoT、自動運転と、ニュースで欠かせないワードとは少し違った世界も来場者たちが押し寄せた。

続いてやってきたのは、工学部 生命環境化学科( バイオ・環境科学専攻) 植物ゲノム工学研究室。

「ピンポイントに遺伝子を改変するゲノム編集を使って、青いシクラメンをつくる技術を研究している」と話すのは、秋田祐介講師。

こうした技術は、花だけではなく、食品やコスメなどの開発にもつながる。いまアメリカなどで注目されている代替食品は、フードテックというトレンド事例のひとつ。

「そうした食品ブームや、コスメやメディカルに関心がある生物や化学好きの受験生にも、注目されている学科」とも秋田講師は教えてくれた。

新しい水素エネルギーの最先端をつっ走れ!

ホンダのエンブレムがついたドライブシミュレーターと、水素ボンベにはさまれて笑う彼らは、工学部 機械工学科 (ロボティクス専攻) 熱エネルギー工学研究室の先生・学生。

高坂祐顕准教授は、街を走り始めた燃料電池車(FCV)などのエネルギー源になる水素のまわりを研究。

「熱力学や伝熱工学から、水素貯蔵・輸送方法、水素吸蔵合金を使った熱駆動型冷凍機、燃料電池自動車への水素充填方法などを開発中。水素エネルギーの有効利用について研究してる」と笑いながら“マシンガン解説”してくれるけど、聞いてる側はそんな先進テクノロジーについていけず……。

全国から集まるCGの力作、そのトレンドは?

「最近はね、その作品に“心”や“想い”を込めた力作が多いね」

そう話しながら募集アートをみて歩くのは、井門俊治特任客員教授。このアート群は、埼玉工大が毎年開催するCGコンテストに応募した力作たち。

その上の画像が、ことし高校生静止画部門 最優秀賞・埼玉県知事賞を受賞した帝塚山高校(奈良県)1年生 松岡夏鈴さんの作品「フルーツシティー」。

「ことしは、第15回目の開催で、埼玉県内をはじめ、関東、東北、関西と、全国からの多数の応募があって、過去最多の256点の作品が集まった。最近のトレンドは、3Dも2Dも、それぞれに想いやストーリーを色濃く込めた作品が多く、専門家の審査委員も感心するほど」と井門先生。

<CGコンテスト入選作品はこちら>

子どもも大人も、プログラミング教室でマジ真剣

そして最後は、子供向けプログラミング教室コーナー。こちらも、SAIKOフェアでのワンシーン。

このプログラミング教室、「これから産官学で連携し、プログラミング学習を強化していく」という同大学の社会貢献活動の一環。

「若い人たちのプログラミング志向が高まっているいま、プログラミングを専修できる場を積極的に広げていきたい」と同大学スタッフ。

このほか、いわゆる文系の人間社会学部 情報社会学科や心理学科 などの解説・体験コーナーも、中高生やファミリーたちでにぎわっていた。

また高大連携ブースでは、連携高校から参加した高校生たちがプレゼンテーションに挑む姿もあって、わいわいがやがや……。

―――それにしても、いまの子どもたちや中高生は、AIやIoT、プログラミングなどに抵抗感を感じていない。なんでも吸収してしまいそうな姿が、また印象的だった。

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