「前面展望映像が流れる自販機」も登場 変わり種も増えてきた「鉄道×自販機」事情が面白い【コラム】
鉄道駅にも広がるか、「紙おむつ自販機」
2022年2月2日、阪神電鉄の大物駅に「飲料」と「紙おむつ」を購入できる自販機が設置されました。
「紙おむつ自販機」といえば、2017年3月「ウエルカムベビープロジェクト」が日本で初めて設置したことで話題になりましたが、大物駅に設置されたのは、ダイドードリンコ、セコム医療システム、大王製紙が共同で展開する自販機。両者に共通する仕様として、飲料と紙おむつの搬出口はそれぞれ分けられており、紙おむつは2枚から購入できます。
ダイドードリンコの「紙おむつ自販機」は道の駅や大型商業施設複合施設などを中心に設置が進み、2021年10月時点で39都府県、計200台に達しています。2022年2月時点で同自販機を設置している鉄道駅は7駅。先述の阪神電鉄 大物駅を除くと、関東では西武鉄道 所沢駅のみ、関西ではOsaka Metro 扇町駅、西長堀駅、住之江公園駅、西梅田駅、北浜駅に導入されています。
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鉄道事業者は様々な施策を打って子育て世代のおでかけを支援します。たとえばベビーカーや車いすでの乗車を楽にするために新型車両の床とホームとの段差を縮小したり、駅構内でベビーカーのレンタルサービス(JR東日本「ベビカル」など)を展開したり……コロナ禍で新規導入・更新費を調達するのは容易ではなさそうですが、「紙おむつ自販機」も、そうした鉄道事業者の子育て支援策の一環として広がっていく可能性は大いにありそうです。
余談ですが、前述の「ウエルカムベビープロジェクト」の紙おむつ自販機は、鉄道駅にこそ設置されていないものの、空港や公園、大型ショッピングセンターなどを中心に展開しており、設置台数は2022年1月末時点で16都府県72台に達しています。
同プロジェクト事務局によれば、現時点では駅や鉄道施設等への具体的な設置計画等はないものの、「子育て中の方々の外出しやすいまちづくりとして、鉄道駅や関連施設への設置は進めていきたい」とのことでした。