北陸新幹線敦賀以西のルートはこのように決まった【取材ノートから No.14】
JR西日本は小浜京都ルートを推す
沿線関係者やJR各社へのヒアリングでは、富山、石川、福井の北陸三県は小浜京都ルートを支持。滋賀県は米原ルート、京都府は小浜舞鶴京都ルートを推しました。
JR西日本は2016年1月に小浜京都ルート採択を要請。真鍋精志社長(当時。現在は相談役)は、「利便性や速達性を考えると、小浜京都ルートを基本に、京都駅を経由して新大阪まで乗り換えなしで早期に開業するのが望ましい」と、会社の見解を示しました。
与党PTは小浜京都ルートに決定
これらを総合して与党PTは2016年12月、小浜京都ルートを最適と判断し、採用を決定しました。しかし、冒頭で紹介したように、環境アセスメントが予定より大幅に遅れており、「それなら整備(建設)距離の短い米原ルートを復活させては」の声が、一部で再燃しているのが現在の状況です。
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本コラムはここまでですが、ご覧いただいた皆さんは「小浜京都ルートがダメなら米原ルート」と、簡単に変更できるようなものでないことは十分にご理解いただけるのではないでしょうか。締めくくりが傍観者の視点になってしまうことをお許しいただいた上で、「今後の進行状況を見守りたいと思います」で本稿を終えたいと思います。
記事:上里夏生