羽田空港に直行!?

ペデストリアンデッキから北方を望む。線路は左側から湘南新宿ライン下り、同上り、上野東京ライン下り、同上り、京浜東北線下り、同上り(写真では見えませんが)。上野東京ラインの上下線間には十分なスペースがなく、京浜東北線または湘南新宿ラインの線路を移動する工事が必要と思われます(筆者撮影)

川口市は、なぜそこまでして中電を停車させるのでしょう? 京浜東北線は大宮~大船間(根岸線区間も含む)の運行で、川口からは東京、品川、横浜などに乗り換えなしで直行できます。

上野東京ラインが停車すると、大宮や大船以遠、例えば宇都宮、高崎、小田原などと乗り換えなしで結ばれます。通勤通学に便利になるほか、東京や品川への所要時間が短縮できるメリットもあります。川口駅はホーム混雑が目立ち、中電が停車すればラッシュが分散されるメリットもありそうです。

もう一つ、見逃せないのはJR東日本が整備を進める「羽田空港アクセス線」。上野東京ラインはアクセス線に直通運転。川口~空港間は40分程度で結ばれます。アクセス線の開業予定は2031年度です。

本当に住みたい街大賞で上位の常連

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ここで、川口という街を再考しましょう。年配の方ならご記憶かもしれない、吉永小百合さん主演の映画「キューポラのある街」。中小の鋳物工場が立地していた川口は、戦後日本の高度経済成長を支えました。

最近の川口は、住みたい街の上位常連。本サイトで紹介させていただいた、住宅ローン会社の「本当に住みたい街大賞」では2020年と2021年に連続1位、2022年も2位にランクされました。

審査員は、「東京にアクセスしやすく、住宅価格もリーズナブル。駅前開発が進む発展可能性に期待したい」とコメントしました。

しかし、現実は厳しく2021年2月に駅前の百貨店が閉店。駅前のにぎわいも全盛時に比べると若干薄れつつあり、2023年には住みたい街大賞でもランク外になってしまいました。マイナス要因を跳ね返す明るいニュースが「中電停車」。地元の期待も高まります。

浦和駅、浜松町駅……

最後は、川口駅のようにホーム増設や快速が停車を始めた駅の前例。記憶をたどったら、近隣の浦和駅と、京浜東北線つながりで浜松町駅が思い浮かびました。

2000年代初頭までの浦和駅は、ホームのない湘南新宿ライン(路線的には東北貨物線)が高架上で駅を通過。京浜東北、宇都宮(東北)・高崎の両線は地上を走っていました。2005年から両線を高架に上げた後、2012年には湘南新宿ライン浦和駅にホームを増設。2013年3月のダイヤ改正で、浦和駅停車が始まりました。

2013年に湘南新宿ラインのホームが完成した浦和駅。写真では奥側の湘南新宿ラインのホーム(屋根)が一段高くなっているのが分かります(筆者撮影)

京浜東北線は1988年から、日中時間帯の田端~田町間で快速運転がスタートしました。当初、浜松町駅は通過でしたが、2002年7月のダイヤ改正で新しく停車。東京モノレールから乗り継ぐ、航空利旅客の東京都心部や埼玉方面への移動を便利にするのが主な狙いですが、同じ2002年には東京モノレールがJR東日本グループ入りするという裏事情もありました。

川口駅への中電停車はどう動くのか。続報を待ちたいと思います。

記事:上里夏生

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