豊橋鉄道渥美線 元東急電鉄7200系

渥美線は1997年(平成9年)に架線電圧を1、500Vに昇圧、親会社の名古屋鉄道から7300系を導入しましたが加速性能の低さから昇圧と同時に実施された増発(運転間隔を15分から12分に短縮)に対応できませんでした。そこで2000年(平成12年)に元東急電鉄7200系が30両導入され、名鉄7300系は全廃、豊橋鉄道1800系として全て3両編成での運行が始まりました。M車両(モ)は1000番台ですがT車両(ク)は2000番台になっています。3両編成の新豊橋側の先頭車両が全て2000番台です。

当初は部品取り用の3両を除く3両編成9本で運行されていました。2001年(平成13年)に車両区の火災によって2両が使用不可能となったため、部品取り車のうち2両が営業用に整備されました。新たに整備された2両には被災車と同じ番号が与えられています。2008年(平成20年)に同じ元東急7200系で上田電鉄7200系として使用されていた2両の譲渡を受け、残る予備用車両1両とともに営業用に整備、これにより現在は3両編成10本の陣容になっています。ワンマン運転に対応していないので全編成に車掌が乗務しています。

豊橋鉄道渥美線カラフルトレイン 誕生

2013年(平成25年)1月から三河田原駅周辺整備事業と連動して10編成の全てに編成ごとに異なる花のラッピング装飾が施されました。通常は7編成が使用され3編成が予備車両および検査車両として高師駅車両区に留置されます。

○ばら号 モ1801・モ1811・ク2801
ク2801、新豊橋駅。

横から、新豊橋駅。

モ1801、新豊橋駅。。

モ1801、神戸駅。

○はまぼう号 モ1802・モ1812・ク2802
ク2802、新豊橋駅。

ク2802、三河田原駅。

横から、新豊橋駅。

○つつじ号 モ1803・モ1813・ク2803
ク2803、芦原駅。

近くで見て分かったのは「つつじ号」には豊橋鉄道市内線(路面電車)の新型T1000形(右)と800形(左)がデザインされています。

○ひまわり号 モ1804・モ1854・ク2804
モ1804、杉山駅。

ク2804、小池駅。

○菖蒲号 モ1805・モ1855・ク2805
高師車両区に留置されていました。ク2805

○しでこぶし号 モ1806・モ1856・ク2806
高師車両区で編成がバラされた形で駐まっていました。左にク2806、真ん中は中間車(モ1856)かな。モ1806が検査中でしょうか。

○菜の花号 モ1807・モ1857・ク2807
ク2807、新豊橋駅。

○椿号 モ1808・モ1858・ク2808
高師駅側線に駐められていました。モ1808。

ク2808、高師駅側線。

○桜号 モ1809・モ1859・ク2809
ク2809、杉山駅。

モ1809、小池駅。

○菊号 モ1810・モ1860・ク2810 ※モ1860・ク2810は上田電鉄から移籍
モ1810、芦原駅。

ク2810、大清水駅。

とにかくカラフルトレインというだけあって、車齢50歳になろうとする電車たちはとてもフレッシュで魅力的でした。

ところで「しでこぶし」を知らなかったので調べてみました。桜と同じ頃に、やはり葉が出る前に花が咲くモクレン科の落葉小高木(樹高が10m未満)です。園芸用などで盛んに栽培されている様ですが、日本固有種で自生個体群は準絶滅危惧に指定されているのだそうです。東海地方、愛知県・岐阜県・三重県にしか見られない樹木です。「はまぼう」とならんで渥美半島を走る豊橋鉄道渥美線に相応しい選択ですね。

追記【私鉄に乗ろう 18】 豊橋鉄道渥美線 その1 新豊橋駅〜愛知大学前駅、というシリーズで豊橋鉄道渥美線に乗った記録があります。

(写真・記事/住田至朗)